プレミアリーグ29節 チェルシーvsエバートン

プレミアリーグ29節

チェルシーvsエバートン戦の感想を書いていく。

 

CLではホームでバイエルン相手に0-3の大敗したが、FA杯ではリヴァプールに2-0の勝利し不穏な流れを払拭したチェルシー。今回はチームの中心選手であるジョルジーニョをベンチからも外し、プレミアリーグデビューとなる18歳のギルモアをスタメンに起用した。また、GKは最近出番が多かったカバジェロではなくFA杯から続けてケパが出場した。

 

この試合ではプレミアリーグデビュー戦ながらも大活躍し、MOMにも選ばれたギルモアに注目して書いていく。

エバートンは4-4-2のフォーメーションで2トップのリシャリソンとカルバート=ルーウィンが前からプレスをかけていく。対するチェルシーは4バックの形のままビルドアップをしていく。ここでチェルシーのビルドアップで大事になってくるのがギルモアのいるアンカーのポジションだ。エバートンの2トップはアンカーへパスを通させないようにパスコースを切りながらCBへプレスをかけてくるが、ギルモアは細かく立ち位置をずらすことでパスコースを作っていた。これによって、せっかくの2トップのプレスもギルモアにパスが渡ることで大きな意味をなさずに突破されてしまう。ギルモアのポジショニングによってプレスを突破して前進でき、終始ギルモアの存在にエバートンは苦戦させられていた。

14分のビルドアップでズマからギルモアにパス。ギルモアからペドロへ渡し、ペドロが中にドリブルで切れ込んでマウントへパスし、マウントが決めて先制点を奪う。

更に21分にもギルモアからジルーへパスし、ジルーの落としからバークリーを経由して裏へ抜けたペドロがゴールを決める。

その後も後半にウィリアンのミドルシュートコーナーキックからジルーのゴールが決まって4-0でチェルシーは勝利した。

【ギルモアについて】

ギルモアはネガトラ時も素早くプレスをかけて奪い返して攻撃へ繋げていたし、パスミスも少なかったので今後も活躍が期待できる内容であった。アンカーとして積極的にボールを受けられるポジショニングを意識し、パスで攻撃を組み立てていたギルモアの技術の高さは十分プレミアリーグで通用するだろう。

しかし良かった部分だけでなく今後の課題が見える場面もあった。例えばボールを受けようと積極的にボールに近い位置に動いていたが、アンカーというポジションをやる上ではあまりボールの位置に引き寄せられすぎるのは良くないこともある。今回のエバートン戦ではそれによる決定機を作られるようなことは無かったが、アンカーの選手が動きすぎるとDFラインと中盤の間にスペースができてしまい、相手にそこを狙われて一気に決定機を作られる可能性もある。そのためにもDFラインと中盤の位置のバランスを見ながらポジションを調整し、ボールを奪われてもフィルターとしてDFラインの前で抑えるor遅らせる守備ができるようなると、更にアンカーとしてのギルモアの才能は上がるだろう。

おそらくギルモアのプレーを見ていると2ボランチの1人としてプレーさせた方がアンカーよりもボールを貰いに動けるので良いのではないかと思う。攻撃ではドリブルで持ち運んでラストパスを出すようなプレーも見せていたので、コバチッチとカンテの間あたりの立ち位置として起用できそうだ。個人的にはギルモアを出場させるなら中盤は2ボランチにしてカンテとギルモア、コバチッチとギルモアとかでプレーさせたら良さそうだと思う。

 

【ジェームズのアンカー】

試合終盤にはジェームズを投入し、ジェームズをアンカーの位置でプレーさせてギルモアを1つ前のポジションにした。ジェームズのアンカー起用は今まで見たことが無かったので、ランパード監督としても試しとしての起用だったと思う。

ジェームズのアンカーは正直言って合っていないと思う。ロングパスの精度の高さを買われてアンカーを試されたのかもしれないが、ボールを受けた時の視線や動き、パスを出した位置を見ていると、あまり視野は広いわけでは無さそうだ。サイドとアンカーでは視野に入れなければいけないエリアの広さが大きく異なる。アンカーでプレーするには360°の広い視野をもって周りを見ながら長短のパスを精確に供給することが求められる。そのためにも今のジェームズにはアンカーでプレーするには役不足を感じる。個人的にはジェームズはクロスの精度の高さは素晴らしいものをもっているので、そのままSBとしてプレーするか1列前のSHとしてプレーするのが良いと思った。