プレミアリーグ28節ワトフォードvsリヴァプール
昨年はCL優勝し、今季はプレミアリーグで17連勝リーグ戦41試合連続無敗という圧倒的な強さを見せていたリヴァプール。
しかしそのリヴァプールが2月19日のCL決勝トーナメント1回戦1stレグでアトレティコ・マドリーに0-1で敗れ、3月1日にはリーグ戦でワトフォードに0-3、3月4日FA杯でチェルシーに0-2という信じられないような結果が続いている。また、この敗れた3試合は共通して無得点というのも驚きである。
今回はワトフォード戦を見てきてリヴァプールの敗戦の原因を自分なりに書いていく。
ワトフォードが用意した戦い方は、基本守備的に戦い、セットプレーとカウンターで得点を奪いにいくものだった。
①強固な4-5のブロック
4-5のブロックを作り、マネやサラー のスピードあるFWにDFライン裏を狙われないようにDFラインは基本的に上げすぎないようにする。中盤は5人いることで中央の数を増やし、フィルミーノが下がってきても中盤が数的不利にならないようにしている。
②相手SBへはSHに対応させる
リヴァプールの大きな特徴である強力な両SBの攻撃参加だが、そのSBにはSHがついていくことでサイドで数的優位を作られないようにする。
③サイドチェンジへの対策
アレクサンダー=アーノルドのサイドチェンジからスライドのズレを狙われて中央を突破されるのは今までの多くの対戦で何度も見てきた。それに対してはSHとOMFとCHの3人でサイドへのパスコースを遮断し、簡単にはサイドから攻撃ができないようにしている。
④ブロック外でのボールにはプレスしすぎない
ブロック内でボールがなかなか渡らない中で、リヴァプールの選手がブロック外に降りてきてボールを受けにいくことがある。この降りていく選手に対してはついていきすぎず、ブロックを崩さないようにする。
⑤CFのカバー
CFもブロックに入ることでブロック内の1人が釣られて穴が空いてもすぐに埋めることができるのでスキが少ない。
こういった守備をすることでワトフォードはリヴァプールに対して攻撃を停滞させ枠内シュートを1本だけに留めることに成功した。
次はワトフォードの攻撃についても書いていく。
攻撃のパターンとしては主に2つ。
1つは奪った時に素早くSBの裏を狙って素早くシュートまでもっていく。これは多くのチームが対リヴァプールに限らずカウンターで狙う箇所として見られる。
2つ目はディーニーを狙った攻撃だ。GKのゴールキックやリヴァプール陣地の深い位置のスローインなどではCFのディーニーに空中で競らせるようなボールを送っていた。ディーニーは体が強く、空中戦も強い選手であるのを生かして、ディーニーをターゲットに狙っていく。ここでわざとハーフスペース辺りで競らせるとリヴァプール側は右CBのロブレンが対応することになる。このロブレンとの対決でディーニーが競り勝つorロブレンをピン留めさせることで、ロブレンの空けたスペースをサールやデウロフェウ(ペレイラ)に使わせることでゴールに迫っていた。ディーニーの強さを使いながらファンダイクを避けてリヴァプールの急所をつく見事な攻撃だ。
【リヴァプールの課題】
ここ最近うまく勝ちきれていないリヴァプールの課題について考えた。
①ハーフスペースへの飛び出し
相手に守備ブロックを作られた時に大事になってくるのがハーフスペースの使い方だ。主にリヴァプールの攻撃ではWGが内側を使い、SBが外側を使っていく。この時にWGとSBの間のスペースをCHに飛び出させダイレクトでパスを出していくことで崩すパターンがマンチェスター・シティではよく見られるがリヴァプールだとあまり見られない。
②SBの裏を狙う動き
WGが裏を狙う動きをすることには相手も対策をとってSBが付いていったりCBと挟みこんで阻まれる可能性もあるが、リヴァプールの大きな武器であるSBがWGとCFの間にタイミングよく飛び出すことで崩すパターンをもっと狙えるようにしたい。実際シェフィールド戦1点目のようなロバートソンが背後を取ることで素早くゴールにもっていった場面を見てもらうとわかると思う。