CL決勝T1回戦 ドルトムントvsパリサンジェルマン1stレグ
CL決勝トーナメントの1回戦
ドルトムントvsパリサンジェルマン1stレグの感想を書きます。
ドルトムントとパリサンジェルマンはCLの試合くらいしか見ないので普段のリーグ戦ではどうなのか知らないが、レベルの高い面白い試合だった。
ドルトムントとパリサンジェルマンどちらも3-4-3のミラーマッチとなった。
それでは今回の試合で2ゴールという大活躍したハーランドの活躍と共に試合内容を書いていく。
前半
パリが試合開始から10分程は激しくプレスにいく。3トップはそれぞれ同エリアのCBにプレスし、GKへのバックパスにもネイマールがプレスにいく。WBへも同サイドのWBが激しく奪いにいき、前から奪う姿勢をみせていく。しかしGKのビュルキからロングボールでハーランドを狙うことでプレスをかわされてしまい、なかなか前でボールを奪えない。これは今まではGKからアバウトに蹴らざるを得なかったボールがハーランドというターゲットを狙うことでポストプレーからマイボールにできるというハーランド加入の大きな効果だ。
守備ではドルトムントはCBやCHに対しては激しくプレスしにいかず、ハーランドに中央へのコースを切らせながら中央にコンパクトな5-4のブロックを作って中央には侵入させない守備をする。ハーランドは攻撃だけでなく1stディフェンダーとしても貢献を見せていた。
それでもゲイエやベラッティは何度か中央へ隙間を狙ってパスを通そうとするがヴィツェルやジャンが素早く寄せてすぐに奪い返す。逆にドルトムントはボールを奪ったらヴィツェルが左サイドに流れながらゲレイロにハーフスペースを狙ったパスを出す。また大外にはアザールが広がって幅を取ることでサイド攻撃に厚みを増す。他にも素早くサンチョに渡すことでスピードあるドリブルで突破してシュートまでもっていったりもする。
20分過ぎたあたりからはサンチョがアザールと位置を変えて左サイドでプレーするようになる。(試合の流れの中で選手個人の判断?)
パリはなかなか中央へのパスが通せず、3トップへもボールが渡らないので、ネイマールやディマリアがボールを受けに下がってくる。しかしネイマールに対してはピシュチュクが徹底的について行って前を向かさないようにする。さらに中央を通させないドルトムントの守備とフンメルスのマークによってムバッペは前半のうちはボールを全然触れなかった。
後半
お互いあまりリスクをかけずに攻撃をしていたが、後半からはどちらも攻勢に出る。
パリはWBが前半よりもライン間に位置取るようになり、不用意な縦パスが減り、ムバッペは裏を狙うようになった。ネイマールは前半よりも低い位置まで下がってボールを受けに来ていたが、前半同様ピシュチュクがべったり付いていく。
ドルトムントはホームで勝ちを取るためにも攻撃時にボールサイドのCBも上がるようにして攻撃の人数を増やしてくる。
するとジャンからのロングボールをハーランドがポストプレーで落として右サイドのハキミにパスをする。パリのWBが前に出ていたため、フリーでボールを受けたハキミはドリブルで一気に駆け上がる。高い位置まで上がったハキミからのクロスを最後ハーランドが決める。
しかしパリもすぐに点を取り返す。右サイドのブロックの外でボールを受けたムバッペがスピードあるドリブルで一気にかわして深い位置まで侵入し、低い弾道のクロスをあげる。ファーサイドにいたネイマールが合わせて同点になる。守備対応が少し甘かったとはいえムバッペの個人技とスピードが上手く生きた場面だ。
同点ゴールでパリがそのまま勢いを上げるかと思いきや、フンメルスが一気に前線にいたレイナ(アザールと交代して投入された)に早い斜めのパスを通す。レイナはドリブルで駆け上がり、CBを引き寄せたところでハーランドへパス。これをハーランドが豪快なシュートを叩きこんで勝ち越しゴールを決める。一度CBまでボールを下げたことでパリの中盤が前に出たのを逆手にとったフンメルスの見事なパスだった。その後のレイナとハーランドも落ち着いた見事なプレーだったし、同点にされてすぐに勝ち越せたのは大きかった。
結局スコア2-1で試合終了した。
【あとがき】
私は予想ではドルトムントが勝ち進むと予想している。個人的にサンチョ、ハーランド、ゲレイロ、ハキミといったスピードと縦への突破力ある選手たちによる攻撃が好きで、先へ勝ち進んで欲しいと思っている。
そういった中でホームで勝ちを取りたかったドルトムントにとって勝利できたのは良かった。しかしアウェーゴールを1点取られてしまったので、2ndレグでパリに1-0で負けるとアウェーゴール差で敗退になってしまうという不安要素が付き纏う。今回の試合はハーランドの2ゴールだったが、サンチョにも惜しいシュートの場面はあったし、パリが前がかりになった裏を狙えれば十分アウェーでも勝機はあると思う。
逆にパリは1stレグを落としたことで2ndレグのホームでは絶対に勝つ必要があるわけであるし、連続でベスト16で敗退をしているという嫌な記録もある。今回の試合ではネイマールは怪我明け最初の試合であったというのもあってコンディションが良くなかったので2ndレグまでに調子が戻れば、強力なタレントは揃っているので勝ち進むことも可能だろう。個人的に気になったのは3トップの連携とWBの働きだ。ネイマールが下がってボールを受けに来た時に、ピシュチュクが付いていくので、本来ネイマールがいた場所にはスペースが生まれる。そのスペースをムバッペが使ったりするようなスペースを作り合う連携ができていなかったのは残念であった。WBもなかなかトップや中盤との連携が少なく、ドルトムントのブロックを揺さぶるようなプレーがなかったので、よりチームとして崩せる場面がほしいところだ。個人的には2ndレグでは攻守で貢献でき、スペースを作る動きや得点力もあるイカルディの起用があると思うので、イカルディのプレーに注目していきたい。